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zoom RSS 怒れる上司

<<   作成日時 : 2006/09/30 22:07   >>

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画像どこかの歌にあったように僕の上司はフランス人だ。

フランス人のカルチャーの一つとして人前で怒ったり怒鳴ったりすることはとても恥ずべきことで、特にちゃんとした立場にいる人は滅多に感情的になったりしない。彼もまたそのなかの一人だ。

そんな彼が烈火のごとく怒った場面に遭遇してしまった。普段は温厚な人だけにその変わり様は隣で見ていても悲しくなるほどだった。

昨今テロ事件の影響で空港のセキュリティがやたらと厳しい。特にバンクーバーはUSAに近いせいか、空港の中は以前よりもピリピリした空気が漂っている。

セキュリティチェックで上司が引っかかった。手荷物に何か問題があったようだ。近くに行ってみるとヒゲそり用シェービングクリームと部下のお土産に買った瓶詰めメイプルシロップが機内に持ち込めないのだった。

相手の威圧的な態度にも問題はあったと思うが、それにしてもセキュリティチェックを通過した後のお店で売られている品物がどうして持ち込めないのか上司には納得がいかなかった。それは僕だって納得いかない。

彼は抗議したが、規則ですからの一点張りで話は進展しない。

そのうち相手は偉そうに特例措置を提示した。

航空会社(KLM)のカウンターに戻って交渉してください。もし航空会社が許可すれば私達も許可します。

役所にありがちな対応ではあるが、隣でハラハラと事の成り行きを見ていた僕は、これでようやく道が開けたような気がした。

でもその道は、一瞬にして閉鎖されてしまった。

上司がいやだと言ったのだ。

”えっ Why not ?”とビックリしてしまったが、上司の言い分は、カウンターから時間をかけてここまで来ているのだ。何故そんなくだらない規則のためにそこまでわざわざ戻らないといけないんだ!もうここまで来るとちょっと子供のケンカに見えなくも無い。

こうなると話は平行線だ。

なんだなんだと野次馬も多くなった頃、とうとうぶち切れた上司は、もういい、こんなものお前達にくれてやる!と言い残して僕を置いて去っていった。

ああ、こういうのが本当の捨て台詞というんだなあ、とちょっと関心してみていたが、置いていかれても困るので急いで彼の後を追った。

僕ならどうしただろうか?きっとカウンターまで戻っただろう。

そうだ、僕が上司の代わりにカウンターまで行って来ようとかと思った。
しかしもしそれが上手く行っても上司はそれを受け取らないだろう。お前が持っていけというだろう。

これはモノの問題ではなく示しの問題なのだ。自分のポリシーとして受け入れられないことは絶対に受け入れない。

気持ちが治まらなかったのか、その後散々僕に悪態を付いて、ビールを飲んだ。

しばらくラウンジにいたら気持ちも治まったのか普段の上司に戻ってホッとした。隣に怒っている人がいるとその気持ちが伝染するし、いつもの100倍くらい気を使うのだ。

搭乗時間が来てシートについた。

彼のシートの前にビニールのゴミが残っていたり、コップが割れていたり、飲もうと思っていたボルドーのワインが品切れだったりと、滅多に無いような不運が、太陽系の惑星が一直線に並んじゃったようなタイミングで、重なった。

あーもうこんなのいや!
あっそれは僕も同じです。

英語だし習慣も違うのでこういうアクシデントにどういう言葉をかけたら良いのか解らない。下手をすると逆効果になりかねないので、一言 "I'm sorry"(お気の毒に)といって後は映画を見て寝てしまった。

そんな上司だが、いやそういうことも含めて僕は大好きなのだ。今まで比較的上司に恵まれて来たが、この人はベストオブ上司だろうと思う。決断力、リーダーシップ、優しさ、思いやり、どれも学ぶことが多い。そして受け入れられないくらいくだらないものに対する凛とした姿勢も。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
実際、フランス人と会ったことが無いので、想像しかできませんが、フランス映画などを観ていると、フランス人ってこんな感じかなぁ〜と思いました。
上とか権力にへこへこ頭を下げ、部下に横柄に接する日本人にありがちな上司より、尊敬できますよね。
るぅ〜しぃ
2006/10/02 23:40
るぅ〜しぃさん、こんにちは。
日本人にもいろんな人がいるように、フランス人にも尊敬できる人からそうでない人までいろいろです。たまたま良い上司の下で仕事ができることをとてもラッキーだと思っています。自分もそんな上司にならなくちゃ。
まだいろんなエピソードがあるので、そのうちブログに書いてみます。
Mako
2006/10/03 04:10

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